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Python 環境構築 教科書(初心者〜中級者)

この教科書は「まず動かしたい初心者向け」と「環境を再現/高速化したい中級者向け」の両方をカバーします。各節は独立して読めます。


目次

  1. 概要 — 何をインストールするかと選び方
  2. 初心者向け:Windows / macOS / Linux に Python を入れる(公式インストーラ+pip+venv)
  3. 初心者向け:仮想環境の作り方と基本コマンド(venv / pip)
  4. コマンドベースのインストーラ:Astral の uv(curl | sh / PowerShell) — 使い方と違い
  5. pip 経由による uv の導入(pip / pipx)
  6. よくあるトラブルと対処法
  7. まとめ:初心者におすすめの流れ / 中級者向けの選択肢
  8. 参考(公式ドキュメント)

1. 概要 — 何をインストールするかと選び方

用語メモ: pip=パッケージをインストールするツール。venv=プロジェクトごとの隔離環境。uv=高速な総合パッケージ/ツール管理(最近のオプション)。

2. 初心者向け:公式インストーラ + pip + venv(Windows / macOS / Linux)

Windows(簡単な手順)

  1. 公式サイト(python.org)から最新の安定版インストーラをダウンロード。
  2. インストーラを起動するときに「Add Python to PATH」にチェックを推奨(初心者向け)。
  3. インストール後、PowerShell を開き以下で確認:
    py --version
    python -m pip --version

macOS / Linux(簡単な手順)

  1. macOS:公式インストーラ(python.org)または Homebrew(brew install python)を推奨。
  2. Linux:ディストリビューション付属パッケージか、公式のバイナリ/pyenv等を使う。ディストリビューションの古い Python を置き換える際は注意。
  3. インストール確認:
    python3 --version
    python3 -m pip --version

最初は python.org のインストーラか、ディストリビューション標準の方法(apt/dnf/brew)で入れるのが混乱が少なくおすすめです。:contentReference[oaicite:2]{index=2}


3. 仮想環境(venv)と pip の基本:プロジェクト単位で環境を用意する

作成・有効化の流れ(Unix / macOS)

# プロジェクトルートで
python3 -m venv .venv

# 有効化(bash/zsh)
source .venv/bin/activate

# 確認
which python
python -m pip install --upgrade pip

Windows(PowerShell)の場合

py -m venv .venv
.venv\Scripts\Activate.ps1
# もし実行ポリシーが厳しければ (管理者権限で一度だけ):
Set-ExecutionPolicy -ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser

仮想環境を使うと、その環境内の pip が優先され、グローバル環境を汚さずにパッケージ管理できます。公式パッケージングガイドは仮想環境の使用を推奨しています。:contentReference[oaicite:3]{index=3}


4. Astral の uv:curl | sh(macOS/Linux) と PowerShell(Windows)でのインストール

概要

uv は Astral が提供する高速な Python パッケージ&ツール管理ユーティリティで、公式が配布する「スタンドアロン・インストーラ」があります。スタンドアロンのインストーラを使うと、ビルド済みバイナリを取得してパスに配置する方式で、素早く導入できます。:contentReference[oaicite:4]{index=4}

macOS / Linux:公式ワンライナー(curl を使う)

# 推奨コマンド(公式ドキュメントより)
curl -LsSf https://astral.sh/uv/install.sh | sh

# wget の場合
wget -qO- https://astral.sh/uv/install.sh | sh

# 特定バージョンを指定する場合
curl -LsSf https://astral.sh/uv/0.8.7/install.sh | sh

このインストーラはダウンロードして実行する方式です。バージョン固定やアンマネージドインストールのための環境変数(例:UV_UNMANAGED_INSTALL)も用意されています。:contentReference[oaicite:5]{index=5}

Windows:PowerShell ワンライナー(公式)

powershell -ExecutionPolicy ByPass -c "irm https://astral.sh/uv/install.ps1 | iex"

PowerShell を使ったインストールは上記のワンライナーで行えます。GitHub リリースページではリリース毎のインストーラ URL も示されています(CI 等でバージョンを固定したい場合に便利)。:contentReference[oaicite:6]{index=6}

セキュリティ注意:

5. pip 経由での uv インストール(初心者向け選択肢)

uv は PyPI にも公開されており、通常の pip install uv で導入できます。これは既に Python と pip を持っている場合に手早い選択肢です(ただし、単一バイナリのインストーラとは挙動が異なる可能性があるためドキュメントを確認してください)。:contentReference[oaicite:8]{index=8}

# pip がセットされている仮想環境で
python -m pip install --upgrade pip
pip install uv

# または pipx を使って CLI を孤立してインストールする方法(pipx が便利)
pipx install uv

pip で入れるメリットは「既存の仮想環境に簡単に入る」こと、インストーラのメリットは「システムに汎用実行可能として置ける」こと — 用途に応じて選んでください。:contentReference[oaicite:9]{index=9}


6. よくあるトラブルと対処法

症状原因と対処
コマンドが見つからない(例:uvが動かない) インストール先が PATH に入っていない。インストールスクリプトがプロファイルを更新するか、手動でパスを追加する。
または、Windows では PowerShell を再起動して Path を再読み込み。
仮想環境内で pip が古い / パッケージが入らない 仮想環境をアクティベートしているか確認(source .venv/bin/activate 等)。pip を最新にする:python -m pip install --upgrade pip。公式ガイドに仮想環境使用が推奨されています。:contentReference[oaicite:10]{index=10}
インストールスクリプトが心配(安全性) スクリプトを直接実行せず、まずダウンロードして中身を確認する。リリースごとの署名/ハッシュが提供されていれば検証する。:contentReference[oaicite:11]{index=11}

7. まとめ:初心者におすすめの流れ / 中級者向け選択肢

初心者(まずは学習して動かす)

  1. 公式 Python をインストール(python.org または OS のパッケージマネージャ)
  2. プロジェクトごとに python -m venv .venv を作成して有効化
  3. 仮想環境で pip install --upgrade pip、必要なパッケージを pip install package で入れる

この流れは最も基本でドキュメントや教科書の類も豊富です。:contentReference[oaicite:12]{index=12}

中級者(速度やツール管理を重視)


8. 参考(主要公式ドキュメント・リソース)

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